世間がもし30人の基地だったら

日本南極地域観測隊に参加して、2015年12月に日本を出発しました。昭和基地で南極の冬を過ごして、2017年3月23日に帰国しました。帰ってからも南極に関わることがときどきあるので、更新を続けています。

「悪魔のおにぎり」

6月に放送された「世界一受けたい授業」で昭和基地のレシピのひとつとして紹介された、"悪魔のおにぎり"
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「ローソンから発売された」と聞いてはいたのですが、職場の近くのナチュラルローソンで購入、ようやく賞味することができました。

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 テレビ出演した調理担当がわたぬきさんだから、じゃなくて、

天かすが入っているから”たぬき”なんでしょうね。 

 

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おにぎり一個で219キロカロリーは、なかなかのものです(梅干しおにぎりだと、約2割減の176キロカロリー)。

この夜の場合、残業に備えた兵糧として購入したので、むしろありがたいボリュームです。

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私にとっては、懐かしい味、というわけでもないのですね。昭和基地では朝昼晩、しっかりと美味しいご飯をいただいていたので、夜食におにぎりを頬張ることはほぼなかったはず。カップ麺もあまり食べなかったなあ。

 

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買う人は頻繁に買うし、利益率は高いし、で、コンビニおにぎりの競争は激しいらしい。そんな中でのヒット商品になっているようで、まずはめでたい。

ローソンストア100「悪魔のおにぎり」販売好調! 発売から4週間で約200,000個販売 | トピックス | ローソンストア100~生鮮・100円・くらし支えるストア~

父島に行ってきました2018 その3 野菜

父島は温暖な地ではありますが、ほとんど耕地がありません。野菜類も「おがさわら丸」で東京から運ばれてきます。シカクマメ、島レモンなど地場で採れるものもありますが、ほとんどの野菜は「おがさわら丸」に積まれるコンテナで運ばれてきます。

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白菜は1/4個で218円。

 

宿の晩ごはんです。魚のフライに付いているキャベツの千切り、なんだかもったいない気がします。

 

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その他の野菜はお漬物ともやしと、たぶん冷凍のいんげん。キャベツの横にあるのが島レモン。

野菜類はほとんどが乾物・冷凍ものになる、越冬中の昭和基地に似てますね。

 

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島レモンは、いくつかお土産に買って帰りました。これでジントニックを作ると、美味ですよ。

 

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父島に行ってきました2018 その2 夕陽

父島に滞在中は、時折にわか雨があったほかはいいお天気で、毎日、海岸に夕陽を見に行っていました。
父島は、夕日が沈む間際に一瞬だけ緑色に輝く「グリーンフラッシュ」を見やすいところだそうです。昭和基地で見た緑の光 を再見できるかも、

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 と期待したのですが、残念ながらお目にかかることはできませんでした。

これは2日目、宿から自転車で15分くらいの海岸で見た夕陽です。

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とてもきれいなものでしたけど、緑色にはならなかったなあ。

 

夕陽のきれいなところには、ギャラリーが集まってきます。立派なカメラを構える人も、ただ眺める人も。

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毎日どこでも陽は沈む。どこにいても、夕日を見るのはそんなに難しいものではないはずなのに、落陽の瞬間を眺めたのは、久しぶりでした。

夕陽を見る余裕は、持ちたいものですね。

父島に行ってきました2018 その1

先日、昭和基地での大気電場観測の訓練講師をしてきましたが、 

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東京から南に1000キロメートルあまり離れた父島でも、昭和基地と同じ装置を使った大気電気の観測が行われています。

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↑ これが父島の観測装置。

 

↓ こちらは昭和基地。雪と氷の中で、頑張ってくれています。

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世界中の大気電場の観測データを一つのデータベースにまとめるプロジェクトが始まっていて、父島観測点のデータを参加させるべく準備を進めているところです。観測装置とデータ伝送システムのお世話をするために、昨年に引き続き、父島に出張してきました。

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小笠原に飛行場はありません。父島へ一般の交通手段は「おがさわら丸」という船だけです。東京・竹芝を出発してから父島に到着するまで24時間。出張期間は6日間ですが、船の中で往復1泊ずつ、島に3泊の日程になります。


データを記録するパソコンはトタン屋根の小屋の中においてあります。

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滞在中は南国の強い日差しに照らされて、昼間は暑くてここでは長時間いるのは無理。朝5時過ぎに起きて、涼しいうちに作業していました。

JARE60 大気電場観測訓練

秋になると観測隊の出発準備が加速していきます。そんな中、今年出発する60次隊員に観測訓練の講師をしてきました。

自分たち57次隊が出発する前の訓練は、北海道で、野外での訓練でしたが、今回は極地研究所。

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帰国後一年あまりが過ぎましたが、極地でのこの機械の扱いに慣れているひと、ということで今年も依頼があり、職場には半日お休みを頂いて行ってきました。

 蒸し暑くてにわか雨もあるかも、というお天気だったので、室内で観測機器を接続してテストしました。

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 現地ではこんな感じで設置されています。

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霧が出て、霜がぎっちりと付いたこともありました。

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  お金がたくさんかかっている観測項目ではありませんが、私が今、書いている論文の重要なデータをとってくれる機械です。来年も頑張ってほしいものです。

 

--以下はちょっと理系な話--

私たちが住む地上の付近では、1メートルあたり100ボルトくらいの電圧がかかっています。人体は大地に電気的に接触しているので、これくらいの電圧では感電することはありません。落雷の電圧は100万ボルト以上になるので、これに打たれるとたいへんなことになりますが。

この機械で、大気の電圧の変化を精密に測ると、

  • 地球と上層大気の電気的なやりとり
  • グローバルな雷活動の状況
  • どんな雲がどんな電気的特徴をもつか
  • 吹雪の電気的な構造

などを調べることができるのです。